越後えご保存会

越後えご保存会は、えご食文化の保存・継承と普及啓発を目的に、2013年5月に発足しました。

新潟県長岡市を拠点に、約80名の会員が在籍し、茶話会と称する会員同士の情報交換会のほか、毎月の『えごだより』の発行、料理教室やPRイベントを主な活動としています。
本会が主催する4年に一度のえごの祭典「えごリンピック」では、えご食文化の普及と継承に向けて趣向を凝らした取り組みを行っています。2021年5月開催の「えごリンピック2021」では、出雲崎のえご漁師をゲストに迎え、本会員が取材調査したえご漁及び選別・乾燥処理の映像を会場で鑑賞しながらトークセッションを行いました。

近年では、自治体と連携したえご作り体験や、新潟県立歴史博物館と連携して調査研究を進めたえご食文化や歴史に関するパネル展示、えごを使った新作郷土菓子の商品開発など、各方面との連携により、えご食文化の継承に向けた取り組みの環が広がっています。

主な活動

  • 月1回の茶話会(お茶を飲みながらえごを語る。参加自由)
  • えごだよりの発行(月1回)
  • 啓蒙普及活動(各種イベントの開催)
  • 産地視察旅行(年1回)

「えご」は紅藻のエゴノリを煮溶かし、
よく練ってから寒天のように固めて作る海藻料理です。

独特のモチモチとした食感があり、一口サイズに切って皿に盛り、からし酢味噌やわさび醤油で食べます。新潟では「えご」や「いご」と呼ばれ、お盆の時期や冠婚葬祭などのハレの日に欠かせない料理として親しまれてきました。

梅雨が明けた7月の土用過ぎ、日本海の夏の味覚であるえご漁の解禁です。海藻の状態の原料は「えご草」と呼ばれ、素潜り漁のほか、船の上から長い竿状の漁具を用いて採取されます。漁獲後、えご草に混じった別種の海藻の細かな枝をひとつひとつ丁寧に取り除き、浜に広げて天日に干します。このように乾物加工されたえご草は、海から遠く離れた山間の村々へ運ばれ、貴重な海産物として食されました。江戸時代の史料には国境を越えて信州や会津地方にえご草が運ばれたことが記され、えごは海と山を結ぶ食文化として育まれてきました。

現在では多くの地域で、原藻で作った黒えごが食され、魚沼地方などの山間部では天日乾燥を繰り返して脱色した晒しえごが好まれています。また、越後と佐渡ではえごの加工法や形状に違いがみられます。越後では、長方形の容器に固めたのち四角に切ることが一般的で、佐渡では板状に薄く伸ばしたものをくるくると巻いて、細く切ったものが「いごねり」の名で親しまれています。このほかにも盆の精霊迎えに「鏡えご」と呼ばれる円形の供え物をするなど、多彩な調理加工の技術や風俗習慣が県内各地に根付いています。
お盆や正月などの帰省シーズンには、えごの特設売り場が設けられるほど、新潟県人にとって「えご」は懐かしい故郷の味です。しかし、近年ではえご草から手作りで料理できる人が減り、えご食全体の需要も落ち込んでいます。越後えご保存会では、えご作り体験などの継承活動を通して、江戸時代から続くえご食文化を次世代に伝える活動に取り組んでいます。

越後えご保存会では、会員を募集しています

「えご」に興味のある方ならどなたでもご参加いただけます。
お電話、FAX、またはお問い合わせフォームにてご連絡ください。

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